笑えない話だが、女の方でもさんざん彼氏できない、諦めた、と嘆いている私達30代・アラサー女性に対して、男性陣も負けていない。
というか、彼らも女性以上に現実に絶望しているみたいだ。

たとえば、
「俺もう彼女できないから結婚諦めた。しょうがねーじゃん？」という30代の男。
お恥ずかしながら私の愚弟だ。

姉の私が私なら、弟のコイツもまた彼女できない「非モテ系」男子！
今年めでたく（！）30代になってしまった。

でもこうした身内の「諦めた姿」というのは、私にとっては合わせ鏡のようなものかもしれない。
結局30代だろうと40代だろうと今の世の中、よっぽど恋愛に向いていない、結婚すらままならない男女が多すぎる。

彼女できないと語るこの弟も、20代から私のすすめで婚活も嗜んできたがことごとく失敗。
はっきり言って男のくせに私よりもずっと心が折れやすい。

「でも男なら30代ってまだいくらでも望みあるじゃん！」
みたいに、たまに私も背中を押したりする。

けれど、最近なんだか立ち直れないくらいの振られ方をしたらしい。
彼にはとてつもない“事件”のレベルだったようだ。

それで相当こりたらしく、母親に「諦めた」発言。
完全ふてくされ状態になった。

この弟ほどじゃないけれど、 私もふと考えたりすることがある。
そして考えれば考えるほどイヤになる。

特に女の場合、男以上に肉体的な都合もある。
ならいっそのこと30代に入ってその前半、鳴かず飛ばずが続くようならあきらめた方がよいかも？
後半になったら吹っ切って残りの人生を独身で通したほうが気も休まるのでは？
同じ心境の女性だって多いだろう。

でもそんな中でだって、何か光がさすんじゃないかな？
そういう願いをこめて、「何か参考になれば！」とお伝えしてみたい。

男性は女性よりもデリケート？「俺って一生彼女できないんだ！」とショックに折れまくることも？

よく取り沙汰されているとおりだが、どうしても彼女できないで、諦めたという男性。

別に私の弟だけに限ったことではなく、結婚適齢期となっている日本の男性、20代〜30代の方たちのうち、恋愛を諦めた、という心境になっている人たちは全体の半数超もいるという。
「俺って一生彼女できない！だからもうヨシにした！あきらめた」
みたいに、というワケ。
ある情報バラエティ番組の調査によって明らかになったそうだ。

確かに女性の方だって恋愛未経験、彼氏なしで30代、40代と過ごす方が増えている。
けれど、男性の方はそういう女性の統計をずーっと輪をかけるような、すさまじい結果になっているらしい。

子供の頃から自分の弟を見ていて私も思うけれど、男性は見た目では女性よりも肉体的に頑丈そうに見える。
だから、精神的にも強そうに見えるんだけれど、そうでもないようだ。
それどころか、女性には理解出来ないくらいにナイーブで、神経質だったりデリケートだったりすることも多い。
自分に弟のいる方なら何となくおわかりじゃないだろうか？

男性は女性よりもうぶなトコロ多し！？

そして男女の関係というのは、おそらくだけれど女性よりも男性の方が気負ってしまうし、うぶすぎるところもあるように思える。

私の恋愛経験から考えてみても、どうしてもそういう思いに駆られてしまうのだ。
私も恋愛経験はメチャ少なくて、そんな男性にたまたま当たったのかもしれないけれど、いかがだろうか？

そして、だからこそ「いつまでたっても彼女できないからもう俺はもう諦めた。人生詰んだ」。
と私の弟のようにサジを投げてしまう。
こういう放言も軽々してしまい、人生に自分で終止符を打とうとしてしまう。
男性のデリケートさ、うぶさ加減が、こんなところにも出てくるんじゃないだろうか？

それで結局恋愛をすべき20〜30代なのに、恋愛とか出会いに見切りをつけて
「これ以上どう頑張っても無理無理。俺なんかもう彼女できない。もう諦めた。構わないからもうどうにでもなれ、だよ」
となってしまう、そういう男性の数が女性のそれを上回ってしまうことにつながっているんじゃないかと思うけれど、いかがだろう？

男と女の出会いの場がなさすぎる？

ただ、同じ30代という共通項はあるものの姉の私と弟は、ひとまず男と女の関係になる。

そこでどうしても腑に落ちないのだが、結局のところ男の人達の方でもなかなかこうして彼女できない苦しみにさいなまれ諦めた、もうどうにでもなれ、とばかりヤケを起こしてしまう。

でもそれと全く同様のことが女性の方でも起こっている、ということをここでぜひお伝えしておきたいのだ。
女性で独身、30代ともなれば婚活の厳しさも雲つかむようなとんでもないレベルになってしまっている。

確かにそういう将来について否が応でもそろそろ自分で立ち位置や将来のあり方を決めようとする時期に差し掛かってくる。

しかしながら男と女、双方で同じように彼女できない、彼氏できない、と嘆いているのはなんと皮肉な突き合わせではないだろうか？

この原因はただ一つ。
「社会の中にしっかりとした男女の出会いを取り持つ環境がない」
という一点に尽きるのではないだろうか？

ただ、人によっては
「婚活サイトや婚活パーティー、そして結婚相談所など、それでもたしかにそういう出会いを取り持ってくれるシステムはあるじゃないか？」
ということを言うかもしれない。

だがそういう婚活業者、一体どこまで信頼性があるのか？
そしてどれほどに実績があるというのだろうか。

結局のところ、企業である限りお客の結婚希望者からはお金をもらうのが究極の目的。
ミもフタもない言い方をすればそれが目当てでしかない。

つらつら思うけれど、そういう「金儲け本位の婚活業者」。
そういう現状が今の婚活業界のあり方に大きな陰を作っている様に見えてならない。

結婚する比率を押し下げてしまい、結婚を諦める男女の増加を招いている、その大きな原因のひとつではないだろうか。

自分の婚活の失敗を業者とか、第三者に責任転嫁したくはないけれど、どうしても今の婚活のあり方、健全とは言いがたいはずだ。

何しろ全部が全部とは言わないけれど、サクラもいれば経歴詐称も許してしまっている、そんなうわさを聞かない人っているのだろうか。
そしてなまじ企業である限り、そういう「不手際」の責任の負担も良かれ悪しかれ法に守られる。

その結果、私たちは業者を信じられていない。
頼り切れないのだ。

こういう状態、すごく中途半端になってやしないか？

お見合い結婚の復活が一つの希望ではないだろうか？

だから30代に入っても一度として恋愛経験もない弟が彼女できない、これ以上はムリだもう諦めた！という弟の嘆きもショックは受けるけれどある意味当然の気がしてならない。

男女の出会いは日本の場合、特にデリケートで、欧米のように「狩猟」、つまりハンティングの生活でできあがった、女性を「射止める」習慣が日本人には育っていなかった。

そのためになまじ戦後、アメリカや欧米の習慣が中途半端に入り込んで、従来から続いていた日本流のお見合い結婚が廃れてきてしまったように思える。

お見合い結婚は言うまでもなく、仲人という第三者を仲介して男女が結婚を果たす方法だ。
そこには恋愛のように主観的な二人の間の思いだけでなく、第三者たる仲人からの客観的な当事者の評価、保証までが含まれている。

だからこそ日本人の結婚は安心できた。

また、今結婚の形態の9割とも言われている恋愛結婚のように、ゆく先々のことについて、深刻な問題が出てきたときには二人「だけ」で悩んだり問題解決をする必要もなかったはずなのだ。

仲人を司る人というのは、近隣社会での社会的地位が高かったり、それなりに名士だったり周囲からの信頼性もある人が任に当たったわけで、そういう人のバックアップによって、結婚する当事者二人の信頼性も早くからしっかりしたものになれた。

はっきり言ってしまってみれば、他の海外諸国の事情はともかく、私達日本人にとっては長い目で見てもこういうお見合い結婚のほうが着実で良いのではないだろうか？

私の悩み事―彼女できないからもう諦めたという30代の弟に何といえばよいか？

そういうふうで、今回はけっきょく今の婚活事情についてまでエンエン語ってしまった。

けれど実際のところは、たんにいちばん身近な弟の件、つまり
「彼女できない。これ以上同頑張ってもムリだから諦めた。死ぬ時には自分で墓穴掘って棺桶作って入るから」
という30代の彼を、励ますべきか、逆に諦めが肝心と冷たく背中を押すべきか？
母親といっしょに悩んでしまう。

母はそういう息子を見て、「耳に栓したい！」。
もう完全放置状態。

当たり前の話すぎるけれど、30代になった大の大人なのだから、全ては自己責任で当然かも知れない。
けれどもちろん私や母も血のつながった人間で、他人事などではない。
弟のブツブツをいちいち耳にするたびゾッとするのは私だって同じだ。

ここでちょっと、私はある人に言われたことを思い出し、それをアドバイスで彼に言ってみたことがある。
「切羽詰ったときには、一晩たっぷり寝て頭がスッキリすれば何のことはなくなる」。

要するに時間の経過。そしてメンタルのリフレッシュ。
気持ち的に性急になったり短絡になったりするのは、一つには落ち着きがなくなってきている証拠でもある。
そういうときには一呼吸、二呼吸おいて、少し時間を置くこと。
そして落ち着いた時、再びじっくりと考えてみればよい。

私自身の背中を押す意味も含めるけれど、「一生彼女できない」とか、「それで人声諦めた」と言ってしまうのは、30代の男にとってはやっぱり性急すぎる。

むしろしっかりと自分に落ち着きを取り戻して、その後でどうするかは考えたほうが良い。
最近弟の顔を見るたび「はぁ～」となるんだけれど、今の私は少なくともこう言うしかないにちがいない。

水野江麻