元彼から連絡がくる、というのは意外だった。
ちょっと前のことになるけれど、おかしいな別の彼女いるのに?
元彼で真っ先に頭に浮かぶのはこのことだ。
元彼、今どういう心境の変化なの?とか、いろいろな思考が頭を巡る。
そして訳知りの友人などを当たったりして、善後策を考えたりしたことがあった。
友人女子は
「単に新しい彼女と冷却期間になったんじゃない?それで寂しくなったんで別れの時に未練を見せていた貴方に白羽の矢を立てたのかもね」
みたいな見解。
元彼から連絡というのはもう1年半ぶりくらい。
彼女いるのに、さては振られたんだ、上手くいってないんだ、とか自分に都合よい推測が頭をよぎり、ちょっと考え直して見た結果?
最初は軽い挨拶から元彼から連絡が
元彼から連絡がきたのは、まずメールでなく携帯でよこしてきた。
メールだと既読無視されるとでも思ったのだろうか、もしもそうだったらコンタクトをとれずじまいになってしまう、と危ぶんだのかも知れない。
私が元彼に真っ先に聞いてみたいのは、なぜ彼女いるのに元カノの私に連絡をよこしたのだろうか?
ヨリを戻すためなのか、そのためのステップとして様子見に連絡してきたのだろうか。
でも話し込んでいる内に、なんとなく分かってきたことがある。
彼女いるのに元カノに連絡を取ることでリスクを冒している!
とはいえ、そんなに長話ではない。
そして元彼から連絡が来たとはいえ、最初(その後何回か来た)は、会う約束などもなしだった。
そして、意外なのは今の彼女のことをどちらからも問い合わせなかったことだ。
私も聞くのは怖かったので、最初は特に彼氏が二言三言、挨拶程度に私に語りかけ、それを私がうなずくよう内容で終わっている。
その後2度3度と連絡が入るけれど、なんとなく口ごもるような感じに聞こえた元彼の声だった。
だがなんとなく、びくびくしているのは伝わってくるのだ。
それは、声が震えてこそいないけれど、なんとなくうつろな声の調子が分かる。
その内容、かいつまんで言えば、彼女いるのにこうして元カノの私に連絡とることで、今の彼女にばれたら大変な騒ぎになる、それを遠回しに語っているようでもあった。
確かに、そのリスクは明らかに犯している。
元彼の巧妙なやり口に出来心が利用されてしまった?
で、後になってやっと分かったけれど、彼女いるのにその元彼から連絡が来たからと言って、こういうやりとりを何度も繰り返していく内に私も彼の“術中にはまっていた”のではないだろうかと思う。
はっきり言って、これは今、私自身が元彼の浮気の相手になりかけてしまっているようなものだからだ。
はっきり言って、何の他意もないような社交辞令のような携帯のやりとりであっても、何度となくコンタクトをとれば必ずそういう疑いが第三者から生じてしまう。
そして最悪今の彼女にこのことがばれたりもするだろう。
そして何より。
男女が秘密の内にこういうことをするようなると、心理的に「一蓮托生」みたいな気持ちが湧いてきて、お互いに強い絆を感じるようになるものだ。
そのように私は聞いたことがあったし、また実感で確かにそう理解できた。
だからあるとき、元彼から連絡来たときに意を決せして
「今、あなた彼女いるのにこういう連絡していいの?」
「彼女このこと知っているの?」
とも詰め寄ってみた。
うすうす回答の内容は分かっていたのだがその時元彼は、
「別れてすまない。謝る」
とだけ返してくる。
とりようによってはすごく意味深な内容ではなかっただろうか?
要するにヨリを戻したい、というサイン。
今の彼女と湧かれる気持ちがある。
そう私は自分の中で思おうとしていた。
でも、後々考えればこれはすべて私の妄想に過ぎなかった。
「寂しかったから」ですまそうとする元彼?はまる私もバカだった!
その後、どちらともなくどこそこで今度会おう、という話に発展。
そして二人だけの時間をすごして。
大体この流れと思ってよい。
だがそれっきり元彼から連絡が来なかった。
なんだか釈然市内毎日が続き、元彼から連絡が来ない日がかさむにつれて、疑う気持ち、心配になる気持ちがどんどん大きくなってくる。
彼女いるのに、わざわざああいうことを仕掛けてくるなんてなんだかヘンだ。
そういう疑いの気持ちの方が大きくなっていったことは言うまでも無い。
意を決してこちらから携帯に連絡を入れてみた。
居留守でも使われるかと思ったが、ちゃんと彼自身がすぐに電話口に出る。
立場が変わって今度は私の方から
「いったいどうしているのか、この頃連絡無いし心配になったんだけど」
と、社交辞令のような口調を努力してつくり、問いただしてみた。
「俺の方、ちゃんと上手くやってるよ。悪いないつかは。ちょっと寂しくってさ」
おいおいおい!
彼女いるのに元彼から連絡がきて、その理由って、やっぱりこういうことしか無いの?
その時携帯を切って以来、メルアド変えて番号変えてしまった。
その後は泣いた、泣いた。
結局私の中にまだあった元彼への未練。
それを良いように利用しただけじゃなかっただろうか?
元彼が彼女いる状態で付き合うのはたいがいNG!はっきりけじめをつけさせること
以上のいきさつ、じつは私の友人女子のエピソードになる。
その泣きまくった彼女。
その後はだんだん怒りがこみ上げてきて
「もう男なんか誰が信じるもんか!」
みたいなことになってしまった。
でも、結局元彼に体よく寂しさを紛らわす「道具」みたいになってしまったと言ったら聞こえが悪いかも知れないけれど、結局私は思うのだ。
「元彼から連絡が来て、何をしようとしているのか、それを突き止めようとするのも大切だけれど、いつごろそういう連絡をよこしてきたのだろうか?それが一番大事じゃないだろうか?」
と、私は彼女に言ったことがある。
彼女の場合、元彼から連絡が来た時点では明らかに新しい彼女、つまり今カノと交際中のことだった。
その今カノとどういう関係になっていたのか、元彼の言うとおり冷却期間だったのかも知れないけれど、結局この男性のやっていることは浮気。
浮気をする男性に身を許す、ということ自体に気づくべきだった。
それであってしまったりお泊まりデートなどしてしまえば、そういう男性と関わり合いになることとなる。
「私も分かっていたんだけどね。でも話し込んでいるとヘンに引き込まれていっちゃう」
彼女に限らず、少なからず女性だったら元彼にそういう気持ちになることもあるかも知れない。
本当に女の悲しいところだ。
一番良いのは、最低限の条件として、とにかく今付き合っている彼女とはっきりどこかでけじめをつけてからのことにしたほうがよい。
出ないとこういう浮気をする男性に引っかかってしまう。
そのためには会いたくてもはっきりと女性の方からそれを告げること。
自分の気持ちを抑えて、とにかく時間をおいて、男性をしっかりと観察していくことが大切になるだろう。
ちなみにこの友人彼女。
いったんはそういうわけで、男性不信みたいにして嫌悪していたようだったが、なんとなく「どうしても体が反応してしまうのよね」だそうだ。
なので三日坊主ほどじゃないが、今はスッキリ立ち直って新しい彼氏がいるみたいだ。
まあ、生命力旺盛な彼女。
こういう女性が婚活に成功するんじゃないだろうか。笑
阿部しおり